牙と狼

牙狼 ( 鋼牙版 ) にドハマリした気持ちを二次小説で表現しています。

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牙狼 ( 冴島鋼牙 版 ) にドハマリして いる気持ちを、二次小説で表現して います。

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■■■二次的創作妄想小説…“ 絆 ” の証明

しおしお 様とのコラボ作 ・ 第二十二話 Up 致します!

今回のコラボテーマは、「 声を聞けたらわかるのに 」 です!
このコラボテーマに目が留まった時、いかにも牙狼っぽい、
そして特殊な世界を描くのには、とても良いテーマだと思い、
今回コレを選んでみました。
きっと、相手の声が聞けない状況…。
う~ん、牙狼っぽいじゃありませんか!
どんなお話を私が妄想したか、どうぞご一読下さいませ!!
そしてそして、しおしお 様の作品はコチラ → 「 たった一度の恋
( しおしお様より、リンクの許可は頂いております )
( そしてしおしお様の作品は、三部作構成となっております )

ではでは、そんなこんなで早速どうぞ ↓ ↓ ↓
( 今回も無駄に長くて、どうした!? と思う程です…: 滝汗 )
* * *
~本作に関しては 「 当ブログの注意事項 」 をご一読下さい~

「 カオルさんッ!、カオルさんは居ますかッ!! 」
陽もすっかり暮れた頃。
冴島邸リビングで夕食を済ませ、ゆっくりと食後の紅茶を飲んでいたカオルの元へ、
突如としてレオが訪ねて来たかと思うと、対応に出たゴンザよりも前に、その部屋に
血相を変えて飛び込んで来たのだ。
たまたまカオルも仕事を終えて冴島邸に立ち寄り、鋼牙達ととりとめもない会話を
している間に外も暗くなり、このまま夕食でも…という話になった頃、鋼牙に指令が
出てしまい、カオルは一人食事をしていたのが、これまでの顛末だったのだが。
「 ど、どうしたの、レオくん!? 」
明らかに冷静さを欠いたレオの様子に、カオルも思わず紅茶入りの器をテーブルの
脇へと置いた。
「 良かった、カオルさんが居てくれて…。早急に見て貰いたい物があるんです! 」
言ってレオは魔法衣の内から、その “ 見て貰いたい物 ” を取り出していた。
それは―――。
「 わ、凄い! レオくん、良く出来てるじゃない! 」
感嘆の声を上げたカオルの眼前に置かれた “ 物 ”。それは全長二十センチ程か、
                   
鋼牙の姿を、そっくりそのまま模した人形が出て来ていたのである。無論 “ そっくり ”
と言うからには、顔の造りは当然の事、魔法衣やボディスーツの意匠から、鋼牙の
         
左手の中指に嵌められたザルバの姿までも、微細に再現されていたのである。その
現実味は、まるで今にも動き始めそうな質感と、繊細さを感じる程の様相だった。
「 私もね、昔友人に 3D プリンタで人形を作って貰った事があったんだけど、ここまで
精巧だったかと言われたら…。うん、でもホント、良く出来てるよレオくん! 」
言いながらカオルは、眼前に置かれた “ 鋼牙人形 ” へ、きらきらとした眼差しを
向け、微笑んでいた。だが一方のレオは、それでも次々に魔法衣の内から鋼牙の
人形を取り出す動きをやめようとはしない。
「 ね、ねぇ…、レオくん。それにしても、ちょっと作り過ぎじゃない? 」
するとカオルは、さすがに戸惑いを覚え始めたのか、テーブル上にずらずらと並んだ
“ 鋼牙人形 ” に対し、困惑の言葉を呟いていた。と―――。
「 カオルさん… 」
そんなカオルに、レオが軽い溜息を漏らす。
「 良く出来てるも何も、これは鋼牙さんそのものですよ… 」
「 …………… 」
突如不可解な事を言われ、カオルは硬直した様にレオを見上げるばかりになる。
そして、あまりに無反応なカオルに、レオが視線を向ける。
「 …これは、鋼牙さんの体が分裂して作られた人形なんです 」
「 えーーーーーッッ!!! 」
その説明を聞いた途端、冴島の屋敷全体に響き渡る様な大絶叫が、カオルの口から
発せられていた。当然レオとゴンザは、体が痙攣する様な驚きの反応を見せていた。
「 こ、こ、これが鋼牙なの!? ど、どういう事!? 」
                        まく
だがカオルはそれには構わず、レオに捲し立てる様に質問を投げ掛けていた。
「 はい…。鋼牙さんに指令が出されたのは、カオルさんもご存知だとは思いますが、
それは僕を伴ってのホラー狩りでした。二人して指定されたホラーの出現場所に
向かい、ホラーを狩ったまでは良かったのですが… 」
          おこな
とレオが、鋼牙と行ったホラー狩りについて説明した内容は、以下のものだった。
指令書に従い出現場所へ行き、ホラーを狩るまでは普段と同じく、何ら難しい事は
無い状況だった。だが問題は、ホラーを狩った直後に起こっていた。斬られたホラー
が霧散し姿を消す直前、鋼牙に向けて渾身の “ 反撃 ” を繰り出したのだ。それは
まるで綿菓子の様な雲が鋼牙の全身を包んだかと思うと、その直後 “ ぽん! ” と
軽妙な音を発して破裂後、鋼牙の姿はこの多数の人形へと変えられてしまっていた
のだと言う。
「 そして霧散し消え行くホラーに言われた事は、この人形を上手く融合すれば、再び
鋼牙さんは元の状態を取り戻せるだろう…と 」
するとおおよその事を話し終えたレオは、溜息交じりに “ 解決策 ” を告げていた。
「 う、うん…。でもそれって、レオくん出来るんでしょ? 」
それまで黙って説明を聞いていたカオルが問うのに、だがレオは静かに首を振って
返していた。
「 よく見て下さい。ここにある人形は、全部で三十一体あります。ホラーが言うには、
三十体が本物で残り一体だけが偽物…。つまりその一体を誤って融合してしまうと、
鋼牙さんは元の状態に戻る事はおろか、ホラーと化してしまうのだ…と 」
「 そ、そんな…! 」
レオの衝撃的な言葉に、カオルは思わず椅子から立ち上がって驚きを示していた。
                                         おこな
「 …僕が本物の鋼牙さんを見極める事が出来るなら、今すぐにでも行っています。
でも何度この人形を見ても、詳しい部分を確認してみても、何の手掛かりも無くて…」
まるで絶望的にすら聞こえる話に、ゴンザまでもが身を乗り出す様にして、鋼牙を
想う様相を見せていた。
「 だから…、だったら鋼牙さんと “ 特別な絆 ” があるカオルさんになら、何か僕では
見極められない所で、どれが本物なのかを判別出来るんじゃないかって、そんな
ふうに思えたんです! 」
するとレオは不安気な表情のカオルにぐいぐいと迫る様にして、何故冴島邸を、
そしてカオルを訪ねたかについての理由を説明していた。
「 つまりそれって…、私に人形の真偽を判断してくれって…事? 」
そんなレオの勢いに押されながら、カオルがおずおずと訊く。    おこな
「 はい! 勿論カオルさんが本物と判断した人形の融合作業は、僕が行います! 」
「 …………… 」
きっぱりと返答するレオに対し、だがカオルは思わず無言になってしまっていた。
                                          おこな
レオは魔戒法師として自信を持って語り、確かに融合作業は確実に行うだろう。
ただそれでもカオルは、一抹の不安を覚えないでもなかった。つまり問題はそれ
以前の、本物の“ 鋼牙人形 ” を、カオル自身が見つける事自体にあったのだ。
レオは “ 特別な絆 ” があるカオルなら、何か違う事で見極められるのではないかと
多大な期待を寄せているのだが、果たしてそんな事が出来るのか、カオルは素直に
不安を覚えていたのだ。
「と、取り敢えず …、人形に触ってみても…いい? 」
           ためら
次いでカオルは、躊躇いながらもレオに訊いた。
「 はいッ、お願いします…! 」
まるで懇願でもするかの様に、胸の前で手を組んで頼むレオに、カオルは再び席に

座すと、眼前に置かれた一体の “ 鋼牙人形 ” に、ゆっくりと手を伸ばしていた。
そして両の手に包む様にして乗せた “ 鋼牙人形 ” に、まるで “ 念 ” でも送るかの
様に、しげしげ、まじまじとそれを見つめていた。だが、暫しの後―――。
“ …うぅ、やっぱり何にも判らないよぉ…ッ! ”
カオルは眉根を寄せ、明らかに困惑した表情になって、脱力していた。レオの期待に
応えきれなかった状況だが、優秀な魔戒法師のレオでさえ見極めきれなかったのだ、
これは無理からぬ事ではないかと、カオルも落胆しながらも、少し納得する結果だと
思えていた。
「 う~ん…。でも何か反応を示してくれたら、判るかもしれないのになぁ… 」
落胆はしたが諦めきれないカオルは、脇に立つレオを見上げながら告げていた。
「 反応…、ですか 」
「 うん。例えば…、声を聞かせてくれる…とか 」
ただカオルのそんな言葉に、レオは密かに肩を落としていた。そんな判り易い反応が
あれば、レオが判別を試みた時点で、すぐに解決に至った筈だと思えていたからだ。
すると、次の瞬間―――。
“ …………… ”
突如カオルの耳に、“ 何か ” が聞こえてきていた。
「 …レオくん、何か言った? 」
当然の様に、レオへ問うカオル。
「 いいえ、何も… 」
だがレオは、ふるふると小さく首を振り、その問いに否定を返していた。と、更に次の
瞬間―――。
“ …………… ”
「 …ッ!? 」
再びその耳に聞こえてくる “ もの ” があり、カオルは愕然としていた。何故ならそれは
僅かではあったが、鋼牙の声の様に聞こえていたからだ。
「 鋼牙…!?、鋼牙なの!? 」
カオルは手の内にある “ 鋼牙人形 ” へと問うと、次いで己の耳を人形の胸元へ
押し付ける様にして、声を聞こうと試みていた。と、そこへ―――。
“ ……カ、オ…ル! ”
        かす
小さく、そして擦れながらであったが、カオルの耳にははっきりと鋼牙の声が届いて
きていたのだ。
「 レオくんッ、鋼牙が私を呼んでくれた! これは本物の鋼牙だよ!! 」
「 えぇッ、そ、そうなんですか!? 」
「 うんッ、絶対!! 」
喜々として言い、“ 鋼牙人形 ” を手渡してくるカオルに、レオは驚きながらもその
一体を受け取っていた。
「 …わ、解りました。では、融合作業を開始します…! 」
次いでレオはその “ 鋼牙人形 ” を部屋の奥のソファー上に置くと、魔法衣の内から
                          かざ
魔導筆を取り出し、“ 鋼牙人形 ” へ向けて翳していた。そして何やら術を呟いたかと
思うと、筆先にほわり…とした光が灯り、と共に “ 鋼牙人形 ” へその光が移行し、
柔らかく包まれた状態となっていた。
「 …不穏な反応はありません。判別通り、本物の様ですね。ではカオルさん、次の
人形の判別をお願いします! 」
「 うんッ! 」
そしてレオに次の判別を促され、だがカオルは自信を持って “ 鋼牙人形 ”へと
向き合っていた。
“ 鋼牙人形 ” を手に取り、胸元に耳を寄せては鋼牙か否かを “ 訊ね ”、人形の方
から反応があった物だけをレオへと渡し、融合して貰う…。カオルはその行為を、
黙々と二十九体続けていた。そして―――。
「 …これで、最後の一体ね 」
テーブルの上に “ 鋼牙人形 ” が残り二体となった時、カオルは何の躊躇もなく、
一方の “ 鋼牙人形 ” を取り、胸元へと耳を寄せていた。が、次の瞬間―――。
“ ウグググゥ…、ギガガガァ…! ” おたけ
その胸元から、得も言われぬ不快な雄叫びが聞こえてきていたのである。
「 レ、レオくんッ、これ、ホラーだよ!! 」
                        おぞ
まるで一瞬たりとも触れていたくない “ 悍ましい物 ” とでもいう様に、カオルは瞬時に
それをテーブル上に置くと、次いで残った “ 鋼牙人形 ” を抱き竦めていた。
「 …解りました。では後で、封印しておきます 」
そんなカオルの様子に、ホラーと判別された “ 鋼牙人形 ” を、レオは魔法衣の内へと
慌てて収めていた。と、その時だった―――。
“ カオル ”
「 ………ッ! 」
“ 鋼牙人形 ” を抱き竦めたカオルの胸元が急激に温かくなったかと思うと、今迄に
ない程にはっきりと、鋼牙の声がカオルの耳に聞こえていたのだ。
“ 済まない…、カオル ”
「 鋼牙…! 」
優しく、そしてカオルを気遣う様な言葉が掛けられた事に、カオルは思わず感激し、
改めて “ 鋼牙人形 ” をひし…と抱き締めていた。
「 レオくん、最後の一体…、融合、お願い… 」
次いでカオルは、その “ 鋼牙人形 ” を両の手に乗せてレオへ差し出すと、笑顔で
融合作業へと託していた。
「 …はい 」
その願いを受けレオは一つ頷くと、再びソファーの方へと戻っていた。そこには――。
「 わ…、凄い 」
カオルが感嘆するのも無理はなく、本物だと判別した “ 鋼牙人形 ” の全てが淡い
光の球体に包まれ、その中で浮いた状態になっていたからだった。
するとレオが最後に託された “ 鋼牙人形 ” を、その光の球体へそっと加えると、
改めてカオルの方へ向き直っていた。
「 …ではカオルさん、完全なる融合作業を始めます 」
「 う、うん…! 」
毅然として告げるレオにカオルは緊張を覚え、一つだけ頷き返していた。そんな
カオルにレオもゆっくり頷くと、意を決した様に、光の球体へ対峙した。そして――。
「 はッ!! 」              さば
魔導筆を光の球体に向け大きく振り捌き、筆先を突き付ける。と、次の瞬間、
光の球体は “ 鋼牙人形 ” を包み隠す様に白く変化すると、更に大きくうねった
動きを始めていた。
「 レ、レオくん… 」
その様子に心配になったカオルが、思わずレオに声を掛ける。
「 …大丈夫です、順調な反応です。見ていて下さい、じきに――― 」
とレオが、カオルへ返答しかけた時だった。ぐぐぐ…っと球体が大きくなったかと
思うと、ソファーの上で更に僅かに上昇し始めたのだ。次いで―――。
“ ぼわ…ッ ”
そんな暢気な音と共に球体が割れ、姿を消していたのである。だが無論、消えたのは
球体のみで、その中からは―――。
「 鋼牙ッ!! 」
穏やかな表情で目を閉じ、まるで眠っているかの様な様相の鋼牙が、現れたのだ。
そしてカオルやレオ、ゴンザが歓喜の思いで見守る中、鋼牙の身は静かにソファー
へと下りて行き、ゆったりと着座した様な状態になっていた。
「 鋼牙! 鋼牙…! 」
ようやく会えた鋼牙にカオルは駆け寄り、その名を呼ぶ。すると―――。
            
美しく整った睫毛の映えた瞼がふわり…と開き、その奥から琥珀色の瞳が覗くと、
         せいき
そこへ次第に生気が宿り始め、カオルの顔を映していた。
「 …鋼牙!」
「 …カオ、ル 」                            まなじり
人形ではない、生身の鋼牙と言葉を交わせた事に、カオルの眦から雫が溢れ出す。
無論それを見守っていたレオやゴンザからも、安堵の大きな吐息が漏れていた。
「 レオ…、世話になった 」
「 い、いえ、そんな…! 」
すると鋼牙からカオルにではなく、まずレオの方に慰労の言葉が掛けられた事に、
レオは驚き戸惑った様に首を振っていた。
ただ当の鋼牙は体が分裂されるという事態に見舞われ、違和感が残っている為か、
ややぐったりした様な様相で、ソファーに身を委ねている状況だった。
「 カオル… 」
次いで鋼牙は、カオルへ声を掛ける。
「 ……済まなかった 」
「 ううん、いいの! 鋼牙さえ無事なら、私はそれで… 」
そんな鋼牙から穏やかに告げられた言葉に、カオルは涙で潤んだ瞳を笑みに変え、
心からの喜びを鋼牙に向けて伝えていた。と、その時だった―――。
「 おいおいカオル、俺様だって分裂されちまって、大変だったんだぞ? 」
カオルの “ 鋼牙さえ ” という言葉に、ザルバが冷静に言葉を挟んできたのだ。
「 あ、そうよね…。ゴメンね、ザルバ… 」
まなじり
眦の雫を拭いながらカオルは笑みを浮かべ、ザルバに詫びていた。その背後で、
レオとゴンザが気を遣って、気配を消しながら退室して行った事は、もう暫しの時が
過ぎてから、鋼牙とカオルが気付く状況だった。

― 了 ―




な、な、なんだぁ~、この長さ!!
大した内容でもないのに、
長々とスクロールさせてしまう状況になり、
本当に申し訳ない気持ちです… ( 滝汗 )
( 途中で脱落せずに、読破して頂ければ、
嬉しいのですが… )
さ、さてはて…。
声を聞けたら…という事をテーマにした時、
きっと鋼牙の方が喋れない事態になっていて、
それをカオルが救うのだろうな…という事が、
スグに浮かんで書いたお話でした。
話の序盤、カオルが 3D プリンタの人形を貰った…と、
話していると思うのですが、コレは私が書いた話の、
オリジナルエピソードですので、公式サマとは、
当然ながら関係はございませんので…。
( その作品のリンクを貼りました → 「 可愛いけれど 」 )
そしてお判りの方もいらっしゃるかもしれませんが、
この話のベースは、I 期 “ 遊戯 ” のラスト、
鋼牙がカオルの “ 本体 ” を見つける…という、
あのエピソードから着想しております。
( 鋼牙が違うカオルに手を掛けて、
偽カオル達が “ ギロリ! ” と睨むのが何とも…:汗 )
…いずれにしろカオルって、鋼牙にとって、
“ 女神様 ” なんだな…って、思いますよ、ね。
では、次回作の Up まで、暫しお待ち下さいませね
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テーマ:二次創作:小説
ジャンル:小説・文学

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