牙と狼

牙狼 ( 鋼牙版 ) にドハマリした気持ちを二次小説で表現しています。

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牙狼 ( 冴島鋼牙 版 ) にドハマリして いる気持ちを、二次小説で表現して います。

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■■■二次的創作妄想小説…“ 願い ” という名の思惑 11

~本作に関しては 「 当ブログの注意事項 」 をご一読下さい~

「 はぁ… 」
北の番犬所、入り口。
レオは大きな溜息と共に、その重厚な扉を開き、建物内へと入って行った。
手には一つ羅針盤を持ち、それの中央では僅かな風でも消えてしまいそうな程に、
頼りなげで小さな淡い炎が、辛うじて揺らめいている。
「 大丈夫かい、レオや… 」
          しわが
するとエルヴァが嗄れた声で、レオに気遣う声を掛けていた。それもその筈、レオは
鋼牙に依頼された術の解明以外にも、元老院付き法師としての役割にも応えており、
それらを同時に遂行させていた為、食事や睡眠といった休息を極度に削った日々を
これまで連日送っていたのだ。
「 …大丈夫だよ、エルヴァ。カオルさんに掛けられた術の中から、術者の痕跡が
やっと見つかって、捜索出来るまでになったんだ。ここでもう少し僕が頑張らなきゃ、
鋼牙さんが…、いや魔戒じゅうが大変な事になるよ…! 」     
言いながら額をじっとりと覆った汗を拭い、レオは番犬所の奥へと歩を進めていた。
そこは神官の間へと続く扉の前にある広間で、居合わせた多くの騎士や法師達の
皆が、切羽詰まった表情で右往左往している状況だった。
「 …見てご覧よ、エルヴァ。元老院を訊ねて来る騎士や法師達の中に、カオルさんに
術を掛けた者が居ないか調べた時もそうだったけど、この番犬所を訪ねて来る者も、
皆が慌てふためいてるだろ? きっと鋼牙さんが、暫くホラー狩りは出来ないと告げた
影響だよ… 」
「 ああ、どうやらそのようだねぇ…。だがそれにしても羅針盤で燃えている術者のその
痕跡、今にも消えてしまいそうじゃないか… 」
エルヴァにそう言われ、レオは改めて手元の羅針盤へ視線を落としていた。数日前、
カオルに掛けられた術の中から、術者の痕跡をようやく取り出す事が出来たレオは、
次に術者の所在を調べる為にと、その痕跡を羅針盤の中央で燃える炎として、
そこへ移していたのだ。
「 うん…。あまりにも弱いから、増幅させた方が良いだろうか…とも思ったけど、でも
変に触れると、それこそ全てが消えてしまいそうで出来ないんだ… 」
当然レオとしても、炎が弱々しい事には自覚があった。以後の捜索に使う時、それに
   
耐え得る様に強く大きな炎にしたかったのだが、そもそもが “ 辛うじて ” 程度の痕跡
であり、取り出せた事自体が “ ようやく ” なのだ。それ以上不必要に触れてしまうと、
根本から消えてしまう可能性も十分にあり、手出しが出来ない状態だったのだ。
「 この状態で、何とか捜索し続けるしかないよ… 」
   すく
肩を竦め、エルヴァに言うレオ。
「 それなら、術者が早く見つかると良いがねぇ… 」
「 …そうだ、ね 」
次いでエルバの言葉に溜息を漏らしたレオの、その小さな吐息にも炎は大きく揺れ、
レオは咄嗟に羅針盤を手で覆っていた。と、その時だった―――。
“ ごう…ッ! ”
つい今の今迄、些細な事で消えてしまっても不思議ではない程に弱々しかった炎が、
一瞬ではあるが、轟音と共に大きく強い炎となって燃え盛ったのだ。
驚き、そしてすぐさま顔を上げるレオ。するとその直後、複数の男達がレオの眼前を
横切って行ったのである。無論レオは、静かに彼らの後に続く。
「 …………… 」                               かざ
その間もレオは彼らに気付かれぬ様、羅針盤を男達の背に向けて翳していた。
すると炎は、ふわ…ッふわ…ッと無秩序に変形し、どの騎士や法師に向けても
見られなかった反応を示していた。
「 エルヴァ… 」
小声でエルヴァに問うレオ。
「 ああ、“ 居る ” ね 」
そしてエルヴァもまた、小声で返していた。そんな捜し続けていた人物が、突如として
目の前に現れた事に、レオは思わず、だが無理矢理に唾液を飲み込んでいた。
“ ここで逃げられたリなんて失敗は、許されないぞ…! ”
緊張で高鳴る鼓動を抑える様に、レオは心の中で自身にそう言い聞かせながら、
人生 “ 初 ” の尾行に、震える脚を進めていた。
“ 鋼牙さん、カオルさん、待っていて下さいね! 俺、頑張ります!! ”

― 続 ―




今回は、ついに術者の痕跡を取り出す事に成功し、
しかもその術者と思しき者の発見に至った!? という、
“ レオくん頑張りました回 ” でした!!
更にレオくんは、その術者と思しき者の尾行まで行う様で、
もっと頑張れが続く様相で…。
果たしてレオくんの頑張り、どうなりますやら!!
そしてその “ 術者発見 ” の朗報を、
今か今かと待ち侘びる鋼牙の方は、一体どんな状況なのか…。
次回はその辺りの事を、書きたいと思っております。
ではでは次回の Up まで、暫しお待ち下さいませね!!
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テーマ:二次創作:小説
ジャンル:小説・文学

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