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牙と狼

牙狼 ( 鋼牙版 ) にドハマリした気持ちを二次小説で表現しています。

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Author:茅
牙狼 ( 冴島鋼牙 版 ) にドハマリして いる気持ちを、二次小説で表現して います。

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■■■二次的創作妄想小説…誓い ~ 帰還への日々 ~ 6

~本作に関しては 「 当ブログの注意事項 」 をご一読下さい~

「 出るぞ、鋼牙ッ!! 」   いだ
ザルバの叫びにカオルと剣を抱く腕に力を込めた鋼牙は、眼前に開いた空間の口
 かすみ
へ霞の様に覆われた雲へと突入する為に、目を細めて身構えた。そして―――。
“ ぶわ…ッ! ”
そんな音と共に、鋼牙達は空間の外へと吐き出される。と同時にそこに広がった
光景は、青々とした海と白い砂浜、そのすぐ脇に木々が植えられている様な所で、
それらに向かい、鋼牙達は猛烈な勢いで落下して行っていた。
「 砂浜に落ちる! 」
短く言うザルバに、鋼牙は瞬時に身を反転させ、砂浜に背を向けた。このまま落下
すれば、カオルを下に着地してしまうと解ったからだ。と、その直後―――。
“ ずざざざざ…ッ!!”
「 …ッ!! 」
鋼牙は己の背に激しい衝撃を受け、暫し砂地を滑りながら着地していた。それ故に
多量の砂も押し飛ばされ、辺りに煙の様に舞い上がっていた。
「 …ふぅ~、何とか無事に出られた、か 」
少しの後、着地が落ち着いた頃合いを見計らい、ザルバが深い安堵を漏らす様な
口調で、鋼牙へ声をかけてきていた。だが―――。
「 カオ、ル…、カオルッ! 」
鋼牙はそれには答えず、身を起こすやいなや、脇に横たわるカオルの肩を揺さ振り、
その状態を探ろうと試みていた。ただそれでもカオルはぐったりとしたまま、瞼を
開けようとはしない。
「 …鋼牙、じきに陽が暮れる。兎に角ここから、移動した方が良い 」
カオルの顔に付いた砂を丁寧に払う鋼牙に向け、ザルバが適切な助言をする。
              しの
確かにこのまま雨風も凌げない海辺に居れば、鋼牙はともかくカオルが体調を一層
悪くする事は明白で、最善の状況とは思えなかったからだ。
「 …………… 」          かか
鋼牙は無言でカオルを横抱きに抱え上げると、改めてその周辺を見回していた。
穏やかな波が打ち寄せる海、そして延々と続く砂浜には人の姿が全く見当たらない。
その砂浜の脇には短い草の生い茂った小高い土手も続き、更に上へ視線をやると、
松林が広がっているのが見えていた。
「 …おい鋼牙、あそこを見ろ 」
するとザルバが、何かを発見した様な口振りで鋼牙に声を掛けていた。その言葉に
従い、鋼牙が少し先の土手へと視線を向ける。するとそこには簡易的でありながらも
堅固な石畳の階段が、この砂浜と松林を出入りし易い様に作られていた。
迷わず鋼牙はそちらへ向かうと、武骨な石に体勢が揺れぬ様、一歩一歩しっかと
踏み締めながら、その階段を上り始めていた。ひとけ    うっそう
だが階段を上り詰めた先に広がった松林にも人気は無く、鬱蒼とした状況だけが
見えるばかりだ。おそらく防風林としての松林であるが為に、人が居ないのだろうと
推測が出来る環境だった。
                      いざな
ただ鋼牙の足元には、歩を進める事を誘うかの様な獣道にも似た細い道が、松林の
奥へと続いていた。無論これも、誰かによって踏み締められて出来た道である事は
確かであったが、鋼牙はその誘いに乗るかの如く、松林の奥へと進んで行った。
そして僅かばかり、海から離れた所に来た時だった。突如ぽかり…と松林から抜けた
かと思うと、それまで進んでいた薄暗い松林の中から別世界へ来たかと思う様な、
                    
何も無い広大な敷地が広がり、然しもの鋼牙も戸惑いを覚える程だった。
次いで鋼牙は、その視線を脇へと振っていた。そこには丸太で造られた一軒の
屋敷が佇み、鋼牙は吸い寄せられる様に、そちらの方へと向かって行った。
その屋敷は、各管轄に有る冴島の屋敷に比べると、むしろ小さく質素な様相だが、
太く立派な丸太を組み上げ、二階建てに造られた建物は、決して簡素とは思えない
威風さを感じさせていた。すると―――。
「 ほほぅ… 」
「 どうした、ザルバ 」
カオルを横抱きにしたままの手から、ザルバの軽い驚きの声が上がり、鋼牙は
屋敷を見据えた視線を動かす事なく、問い掛けていた。
「 この屋敷、結界が張られている 」
「 結界? では魔戒の者の屋敷…、という事か 」
「 おそらく…。あるいは、ホラーに憑依された者の屋敷…、とも考えられるがな 」
「 ……… 」
ザルバの言葉を聞き、鋼牙は改めて屋敷を見渡した。見れば見る程に質素ながらも
強固な印象を受ける不思議な屋敷なのだが、、そろそろ陽も暮れる頃だと言うのに、
明かりは点いておらず、それはおろか人の気配すら感じられないのだ。 しばら
むしろ結界の外、屋敷の周辺には落ち葉や枯れ木が散乱し、この屋敷が暫くの間
使われていないだろう事が推測出来る状況だった。
もしホラーがその “ 主 ” だとしても、とうの昔に狩られているのではないか…。鋼牙は
そう思うに至っていた。
「 …いずれにしろこの結界は、どうすれば破れる? 」
そしてこの屋敷を使う決意をした鋼牙は、ザルバへその方法を訊ねていた。
「 それは簡単だ。結局コイツは、魔界の力を使った結界だという事に変わりはない。
魔戒騎士であるお前さんの身が近づきさえすれば、結界は破れる 」
淡々と語るザルバの助言に、鋼牙は決した意を表す様に、ゆっくりとその足を一歩
前へと進めていた。と、その途端――。
“ ぱぱぱぱぱんッ!! ”
まるで花火が炸裂する様な音が鳴り響いたかと思うと、屋敷に張られていた結界が
瞬時にして破られていた。すると、次の瞬間―――。
「 お…ッ? 」
「 …何だ 」
再びザルバが、だが今度は嬉し気な驚きの声を漏らしていた。
「 朗報だ、鋼牙。この家は、ホラーとは無縁だ 」
「 無縁? 何故、そう言える? 」
つい先程まで迷っていたザルバが、打って変わってきっぱりと告げる状況に、鋼牙は
疑問を投げ掛けずにはいられなかった。
「 この家から、お前さんと同じ血肉の気配がするのさ 」
「 俺と…、同じ? 」
ザルバにそう言われ鋼牙は改めて屋敷を見上げると、暫し思考を巡らせていた。
そして―――。
「 つまり…、ここは冴島の屋敷…という事か 」
「 ああ、ご明察 」
鋼牙の言葉に、ザルバがふふん…という笑い声と共に答えていた。
「 だが、俺はこの屋敷を知らない 」
「 だとすれば、お前さんがまだ行った事のない、冴島の屋敷の一つ…って事だろう?
まぁともかく日暮れだ、屋敷に入ろう 」
あっさりと結論付けたザルバが、催促する様に屋敷内へ入るべく鋼牙を促す。
「 …無理だ。鍵が無い 」
だが当然の事ながら、暫く使われていない屋敷には鍵が掛けられ、無論鋼牙もその
          すべ
屋敷の扉を開く術など持ち合わせてはいなかった。
                              かざ
「 なぁ~に、お安いご用さ。鋼牙、俺様を鍵穴に翳してみろ 」
そうザルバが軽く言うのに、鋼牙は左の拳をドアノブ上部の鍵穴へと向けていた。
するとその途端、ザルバの瞳が赤く光ったかと思うと、扉の向こう側でかちゃ…という
何かが回る音が微かにしていた。つまり、鍵が開いたのだ。
「 …………… 」
鋼牙は改めてザルバの多種な能力に驚きを覚えながらも、その背で扉を押す様に、
屋敷内へと静かに身を滑り込ませていた。

― 続 ―




やっとこ空間から脱出した二人は、偶然辿り着いたとある “ 屋敷 ” に、
身を寄せる事となりました!!
それは何と、冴島家の屋敷の内の一つで… ( ただし鋼牙は初見 )
私の中の設定で冴島邸は、生活する為の大きな屋敷が、
各管轄に一つ存在していて、普段は所属した管轄の屋敷に住み、
即日では帰れそうにない “ 越境指令 ” を受けた場合に、
空いている屋敷や “ 別邸 ” と呼ばれる所に宿泊して、
ホラー狩りをする…というイメージだったりします。
という事を踏まえ、さてはて今回二人が辿り着いた屋敷は、
一体どういう所なのか…。
ってな訳で ( ? ) 二人が落下した砂浜や海は、
冴島家の “ プライベート ・ ビーチ ” という事になります!!
( それくらい持ってても、不思議じゃないので… )
そしてこれから始まる二人の “ 別世界生活 ” を、
そっと見守って頂ければ…と思います。
( まだまだ色々な出来事が、待っている予定ですので… )
それでは次回の Up まで、暫しお待ち下さいませね!!
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テーマ:二次創作:小説
ジャンル:小説・文学

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