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牙と狼

牙狼 ( 鋼牙版 ) にドハマリした気持ちを二次小説で表現しています。

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Author:茅
牙狼 ( 冴島鋼牙 版 ) にドハマリして いる気持ちを、二次小説で表現して います。

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■■■二次的創作妄想小説…誓い ~ 帰還への日々 ~ 4

~本作に関しては 「 当ブログの注意事項 」 をご一読下さい~

そしてその日は、唐突にやって来ていた。               うな
鋼牙が見上げるその眼前で、青々とした空が突如、ごうごうという唸りを上げ始め、
次いで黒々とした邪悪な渦を巻く姿が出現していたのだ。
「 鋼牙…、ついに来たな 」
「 …ああ 」
ザルバとそんな短い会話をする間にも、見る見るうちに黒い渦は巨大化してゆき、
周囲の物を吸い込まんとばかりに、木々の枝を激しく揺らす程の風を起こしていた。
そしてじきに渦の中央が “ 口 ” を開き、その内へ誰かを飲み込むだろう。その時が
来れば、鋼牙は迷わず渦の中へ飛び込む決意で、“ 口 ” が開くのを今か今かと
待ち受けていた。
そんな鋼牙の髪は荒れる風に乱され、魔法衣も大きく揺れはためいている。だが、
周囲の様子が荒れれば荒れる程、鋼牙の心は不思議と冷静になっていった。それは
黄金騎士として、幾つもの激戦を乗り越えて来たが故の心の仕組みなのだろうが、
                                  いど
これでようやくカオルを捜しに行ける状況が来た事へ、挑まんとする心理故なのかも
しれなかった。そして―――。
ごうごうと唸っていた渦が、かっと稲光を走らせたかと思うと、ついにそれの中央が
小さく口を開き始め、周囲の人や物を吸いこもうと姿を変化させていた。
“ ……よし ”
鋼牙が決意を心の内で頷く間にも、更に風は強くなり、ついに鋼牙が突入出来る程に
なっていった。次いで鋼牙は両の拳を握り、一歩前へ出た。と、次の瞬間―――。
「 お父さんッ!! 」
背後から幼い声が響き、はっと息を飲んだ鋼牙は咄嗟に振り向いていた。するとそこ
には、雷牙が血相を変えて駆け寄って来る姿があった。その後ろからは、ゴンザも
あたふたと後を追って来る様子も見えていた。
「 雷牙… 」
今まで屋敷の中に居た雷牙が、庭の異変を感じ取った事で、ついに父が旅立つと
察知した為、慌てて鋼牙の所へ飛び出して来たのだ。
「 お、お父…さん 」
息を切らせながら、だがいざとなって何と言って良いのか判らないのか、雷牙はただ
鋼牙を見上げて、肩で荒く呼吸を繰り返すばかりだった。そんな雷牙の前に、鋼牙は
   ひざまず
そっと跪いて、しっかと向き合っていた。        しばら               かん
「 雷牙、今からカオルを…母さんを捜しに行ってくる。暫く帰れないだろうが、その間
           あるじ あるじ
お前がこの屋敷の主だ。主として屋敷を守り、時にゴンザを助け、そして周囲の者の
言う事をよく聞くんだ 」
すると雷牙は、こくり…とひとつ頷き返し、再び鋼牙に視線を戻していた。そんな雷牙
の大きくつぶらな瞳は母親譲りなのか、鋼牙はまるでカオルに見つめられている様な
気持ちになっていた。
「 約束する、必ず母さんを連れて帰って来る。それまで信じて待ってろ… 」
雷牙の柔らかで滑らかな頬の感触と温もりを、刻むかの如くその手を添える鋼牙。
そして―――。
「 留守を頼む… 」
雷牙に言い、次いで鋼牙はその背後に立つゴンザにも、視線を向けていた。実質
全てを任されたゴンザは深々と頭を下げる事で、無言の返答をしていた。
「 行ってくる 」
そしてすっくと立ち上がった鋼牙は、一歩後ずさって雷牙から離れていた。すると
その途端、鋼牙の体はふわり…と宙に浮き、ぐんぐん空へと舞い上がって行った。
「 お父さんッ!! 」
その鋼牙へ、雷牙が絶叫する。だがその叫びは風の唸りに紛れながらも、しっかりと
鋼牙の耳に届いていた。無論、小さくなってゆく雷牙の悲痛な表情も…。
「 必ず戻る…! 」
次いで渦に飲み込まれる瞬間、鋼牙は告げたとしても聞こえないだろう者に向かい、
その誓いを叫んでいた……。


                    きり    かすみ
すると鋼牙の視界は、雲の様な霧の様な霞に覆われ、一瞬何も見えなくなっていた。
だがそれでも必死に瞳を凝らし前方に意識を向けていると、次第にその状況が判る
様になっていた。
そこは上下左右、全てが雲に包まれた世界と言える様相で、鋼牙の身もいずれかの
方向へ進んでいる様だったのだが、全てが同じ状態では、その認識も不確実にしか
感じられなかった。
「 さぁ~て鋼牙、ようやく入れたな… 」
方向も定まらないまま、びゅうびゅうと風を受けながら進む鋼牙に、ザルバがどこか
淡々と話し掛けてくる。だが―――。
「 ……済まない、ザルバ 」
「 あぁ? 」
予期せず鋼牙に詫びを返され、ザルバは戸惑いの呟きを漏らしていた。
「 本来なら雷牙の為に、お前は置いて来るべきだっただろう。だが俺は、お前の力を
借りたい…と思った 」
上下左右、ぐるぐると回されている様な体勢を立て直そうとしながら、鋼牙はこの詫び
の訳を告げていた。
鋼牙の想いの中では状況が状況なだけに、ものの数日や数週間で戻れるとは、
思っていなかった。そうなれば雷牙がもし魔戒騎士の道を選び、黄金騎士 ・ 牙狼の
称号を継ぐとなれば、ザルバは必要不可欠な存在となるだろう。無論それだけでは
なく、牙狼の象徴でもある赤鞘の剣も同じく、牙狼ならば必携だ。
だが鋼牙はそう思いながらもザルバを指に嵌め、剣を魔法衣の内に忍ばせたまま、
この渦の中へと飛び込んでいたのだ。それは他でもなくカオルを捜し出す上で、
何者に遭遇するか不明確な状況に、丸腰状態では入って行けない覚悟を意味して
いたからだった。すると、その時―――。
「 ふん、勘違いするなよ、鋼牙… 」
ザルバが淡々と、言葉を返してきていた。
「 俺様が契約しているのは鋼牙、お前さんだ。そのお前さんがカオルを捜しに旅立つ
と言うのなら、共に行くのは当然だろう? 」
「 ザルバ… 」
鋼牙は左の拳を眼前にしながらザルバの想いを聞き、返事に詰まっていた。これから
どんな事態が待ち受けているのかも判らない状況に、黙って巻き込んでしまったと
一人密かに思っていた鋼牙は、ザルバのさも当然かの様な返答を告げる姿に、胸が
熱くなるのを感じていたのだ。更に―――。
                  ザルバ
「 何より俺様は、お前さんの “ 友 ” だから、な… 」
言ってザルバがかちり…とウインクして見せるのに、鋼牙は微かな吐息と笑みを
返すばかりだった。
「 さぁ鋼牙、さっさとカオルを見つけようぜ! 」
次いでザルバが語気も強く、鋼牙に言っていた。
「 あぁ、そうだな 」
鋼牙もそれに対し、き…っと前を見据えて呟き返していたのだった…。

― 続 ―




さぁついに鋼牙は、あの渦の中へと飛び込んで行きました!!
とその前に、“ 花 ” でもあった雷牙との別れの会話…。
私が書いた物と、公式サマとで全然違っているとは思いますが、
これは私が 「 こんな事を言って欲しい 」 という思いで書いた物です。
( 鋼牙は大河さんに厳しめに育てられてるので、雷牙の事もきっと
子供扱いせずに、“ お前が主だ ” って自覚と責任を持たせる様な事を
言って旅立つんじゃないかと思いました )
なので、突っ込みはスルーな方向でお願い致します…( 詫 )
そしてカオルが渦に吸い込まれ、鋼牙が捜しに行ったと知った時、
雷牙が持っていたザルバと剣は、鋼牙が置いて行った物なの? と、
実は疑問を覚えていたんです。
まさか謎の場へ行くのに、“ 丸腰 ” はないよねぇ~? と思いつつ、
でも雷牙はザルバと剣を持っているし…。
ただ烈伝を観た時に、鋼牙がザルバと剣を持っていたので、
雷牙の手元に有った物は、番犬所とかに “ 新調 ” して貰った物だ! と、
ようやく謎が解決した様な気持ちになりました。
さてさて謎の渦の中へ飛び込んだ鋼牙が、どんな様相を目にするのか…。
次回も是非、覗きに来て頂ければ嬉しく思います!!
ではでは、また…
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テーマ:二次創作:小説
ジャンル:小説・文学

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