牙と狼

牙狼 ( 鋼牙版 ) にドハマリした気持ちを二次小説で表現しています。

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牙狼 ( 冴島鋼牙 版 ) にドハマリして いる気持ちを、二次小説で表現して います。

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■■■二次的創作妄想小説…“ 願い ” という名の思惑 7

~本作に関しては 「 当ブログの注意事項 」 をご一読下さい~

二人は揃ってリビングへ向かうと、そこではちょうどゴンザが、テーブル上に二人分の
夕食の皿を並べている最中だった。                          てご
今夜は濃厚デミグラスソースが掛かった、ふっくらと厚みのあるゴンザ特製、手捏ね
ハンバーグ。加えてサラダにオニオンスープ、数枚に切り分けられたバゲットが
乗った皿も並び、美味しそうな香も漂わせた夕食のテーブルが完成間際だった。
だが鋼牙は、その様子を見た直後、カオルの表情も見ていた。するとカオルは、
ぷぅ…と頬を膨らませ、明らかに不満のそれを滲ませていた。ただもはや慣れた
ものなのか、鋼牙にはカオルが何を思っているか、既に気付いていた。
「 ……ゴンザ 」せわ
次いで鋼牙は、忙しなく食卓の準備を続けるゴンザに、一声掛けていた。
「 …は? 」
「 済まないが、今夜はソファーの方で夕食を取る。皿を並べ直して貰えないか… 」
そう鋼牙に言われたゴンザは、改めて鋼牙を見、二人の様相に気付いていた。
「 こ、これは失礼致しました…!! 只今すぐに、やり直します…! 」
そして一礼したゴンザは、今までテーブルに乗せていた全ての皿を、運搬用の
トレーへと戻し始めていた。
その状況を確認後、改めてカオルを見る。するとカオルは、自分の言わんとした事、
つまりテーブルの席ではぴたり…とくっ付いて夕食を取れないが、ソファーの方なら
可能だという事を、鋼牙が解ってくれた結末に、満面の笑みを戻していた。
次いで二人はソファーへ移動し、ゴンザが準備を整えてくれるのを待った。そして―。
「 わぁ~、美味しそう… 」
未だ湯気が上るハンバーグを見て、カオルが嬉しそうに呟いていた。その直後――。
「 鋼牙、私が食べさせてあげる! 」
言ってカオルが鋼牙の前に並べられたフォークとナイフを取ると、ハンバーグを
一口分切り分け、フォークに乗せていたのだ。
「 はい鋼牙、あ~~~~ん ♡ 」
当然の様に、鋼牙の口元へそれを運ぶ。だが無論鋼牙はそれに対し、眉間に皺を
寄せ、険しい表情で拒む様な眼差しを向けていた。
「 あ~~~~~~~~~ん ♡ ♡ ♡ 」
尚もカオルが、鋼牙に食べさせようと迫る。するとその瞬間、鋼牙は “ ある気配 ” を
感じ、は…っと脇の方を見ていた。                        のんき
そこに立っていたのは、カオルの “ あ~ん ” に操られたかの様に、何とも暢気な
表情で大きく口を開け、ハンバーグを食べさせて貰おうとしているゴンザの姿が
あったのだ。
「 ……ゴンザ 」              こわね
それを見た鋼牙が、どこか呆れた様な声音で一声掛ける。
「 し、し、し、失礼致しました…ッ!! 」
するとはた…と気付いたゴンザは、大慌てで一礼し、ばたばたとリビングから退室
して行った。
「 …カオル 」
次いで穏やかに名を呼びながら、カオルの手からフォークを取り、向き直る鋼牙。
「 俺は、お前に食べさせて欲しいと思っている訳じゃない 」
「 え~、鋼牙冷たぁ~い… 」
だがカオルは、鋼牙の言葉に口をへの字に尖らせ、落胆した様に肩を落とした。
そんなカオルに、鋼牙も小さな溜息を漏らす。
「 聞け、カオル。俺は…、お前と “ 一緒に ” 食べたいと思っているんだ 」
そう言われた途端、やや沈黙の後に意味が伝わったのか、カオルは見る見るうちに
破顔し、嬉しさ余ってついに鋼牙へ抱き付いていた。
「 鋼牙、優し~ぃ ♡ だぁ~い好きぃ~ ♡ 」
言いながら鋼牙の胸元で頬擦りするカオルの姿に、鋼牙の左手から硬質な笑い声が
漏れ聞こえてくる事に、あえて鋼牙は無視を決め込んでいた。
「 …折角のゴンザの料理だ、冷めるぞ 」
「 うんッ!! 」
そして二人はようやく、互いに夕食の皿に向かっていたのだった。



夕食も終わり、夜も更け始めた頃、二人は当然揃って二階へ上がると、鋼牙の私室
の前で、その歩みを止めていた。
「 カオル… 」
次いで鋼牙がその名を呼び、改めて視線を向ける。
「 ここから先は、俺の私室だ 」
「 うん、解ってるよ? 」
「 …そろそろ、休もうと思っている 」
「 そうだね、そんな時間だもんね 」
「 ゆっくり……、したいのだが 」
「 うん、解る! 早く寝よ? 」
「 …………… 」
だが幾度か交わされた会話で、鋼牙が思う様な返答がされなかった為か、鋼牙は
ついに言葉を失っていた。すると―――。
「 やれやれ… 」
その左手から、のんびりとした声が響いてきていた。
「 諦めろ、鋼牙…。夜遅く男の部屋に二人きりで入る意味なんぞ、今のカオルに
問い掛けても無駄だぞ? 」
言われて鋼牙はカオルを見たのだが、確かにその表情には何の戸惑いも不安感も
無く、むしろ楽し気に鋼牙の眼差しを見つめ返すばかりだった。
それを確認し、鋼牙は一つ重々しい溜息を漏らすと、意を決した様に私室の扉を
開いていた。次いで闇に落ちた室内に明かりを灯し二人して入室すると、静かにその
戸を閉ざしたのだった。更に―――。
「 カオル… 」
再び、カオルの名を呼ぶ鋼牙。
「 何? 」
「 …休む前に、湯を浴びたいと思う 」
と、そう言いながら鋼牙には、次にカオルが笑顔で何と返すのか、既に判っていた。
それは―――。
「 じゃあ――― 」
「 “ 一緒に ” は、駄目だ 」
予想通り、喜々として共の入浴を提案してきたカオルの言葉を遮り、鋼牙は拒否の
意思を伝えていた。
「 えぇぇぇ~~~… 」
するとカオルは唇を尖らせ、頬を膨らませて不服の態度を見せていた。
「 何よりカオル、そのままの姿で眠るつもりか? 」
更に鋼牙が、畳みかけて問う。今のカオルの姿は、術を掛けられ訪ねて来た時の
服装そのままで、眠れる状態の物ではなかったのだ。無論この問いは、カオルを
入浴や着替えで離れさせた隙に、自身も入浴を済ませてしまおうと画策したが故の
発言だった。だが―――。
「 じゃあ! じゃあ!、お風呂は我慢するし着替えもしてくるから、その代わり一緒に
眠っても良い? 」
「 …………… 」                       ねだ
その場でぴょこぴょこ小さく跳ねながら、せがむ様に強請るカオルから予想以上の
提案が出され、鋼牙は絶句してしまっていた。
少しも鋼牙から離れたくないカオルにしてみれば、かなり譲歩したつもりの提案なの
だろう。だがその事で鋼牙は共の入浴を回避出来、安堵したのもまた事実だった。
とは言え、一晩中抱き付かれた状態で共に眠るなど、それはそれで共の入浴に匹敵
する程の生き地獄でしかない。何か回避策は…と思案し模索するも、思い付くのは
カオルが譲歩してきたのなら、己も譲歩せねばならないだろう…という事のみだった。
「 ………良い、だろう 」
絞り出す様に鋼牙が告げると、カオルは瞬時に表情を明るくさせ、今一度鋼牙を強く
抱き締めていた。
「 ありがとう! じゃあ急いでお風呂に入って着替えて来るから、待っててね! 」
次いでカオルは嬉し気に言い、そしてばたばたと部屋から出て行っていた。その後ろ
                   じょう
姿を見送り、思わず鋼牙は扉の錠を掛けたい衝動に駆られる。だが術に掛けられた
カオルの事、鋼牙が入室させるまで一晩中でもその扉を叩き続けるだろうと思うと、
溜息を一つ漏らし、諦めるよりないと考え直していた。
「 …やれやれ、一緒に寝るんなら、風呂にだって一緒に入っちまえば良いだろう? 」
                              からか
するとザルバが、さも面倒臭いと言わんばかりに揶揄う。だがそれを聞いた鋼牙は、
まるで返答するかの如くザルバを乱雑に左手から引き抜くと、台座に戻して箱に
収め、荒々しく蓋を閉めていた。そして再び盛大な溜息を、長く長く吐く鋼牙。
夜はまだ、始まったばかり…。
そんな感覚に背を押されながら、鋼牙は浴室へと重い足を運んでいたのだった。

― 続 ―




済みません、また長くなりました…。
本来なら二話に分ける所を、少しでも早く展開させたくて、
一気に Up させてみました。
さて二人の食事、いつもならテーブル席で行うトコですが、
それではカオルが鋼牙とくっ付く事が出来ませんので、
察知した鋼牙の提言により、ソファーで取る事となりました。
( ゴンザさんの “ あ~ん姿 ” が、今回の笑いのポイントかな? )
鋼牙が “ 一緒に ” と告げた事で、“ あ~ん ” は回避しましたが、
二人並んで食事が出来たので、カオルは嬉しかったのでは…? と
思っています。
そしてそれより問題は、入浴と就寝をどうするか!!
入浴は何とか回避出来たものの、その代わりに共に眠る事に…!?
( カオル、上手いコト交渉したなぁ~ という感じ )
わは~、鋼牙には長い夜が始まる予感…?? どう、回避する!?
ではでは次回、またの Up をお楽しみにして下さいませねぇ~
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テーマ:二次創作:小説
ジャンル:小説・文学

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