牙と狼

牙狼 ( 鋼牙版 ) にドハマリした気持ちを二次小説で表現しています。

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牙狼 ( 冴島鋼牙 版 ) にドハマリして いる気持ちを、二次小説で表現して います。

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■■■二次的創作妄想小説…Reincarnation of the storm 13

~本作に関しては 「 当ブログの注意事項 」 をご一読下さい~
☆ 鋼牙とカオルは夫婦設定となっております ☆

「 朝食が出来たから、二人を呼んで来て下さいって、ゴンザさんが… 」
ゆっくりと近づいて来たカオルが、鋼牙やジャックに向けて声を掛けていた。
「 …そうか、わかった 」
すると鋼牙が、軽く頷き返しながら呟いていた。
「 じゃあ零くんやレオくんも、一緒にどう? ゴンザさんに頼めば、すぐに準備して
くれると思うし… 」
カオルのその提案に、零とレオは顔を見合わせ、意思を確認した。
「 …いや、レオは良いだろうけど、俺は賑やかなのが苦手で… 」
「 んもぉ、零くんはいつもそう言って、私達と食卓を囲む事から逃げるんだから…。
たまには良い…でしょ? 」   ねだ
小首を傾げ、上目遣いで可愛く強請る様に言うカオル。その姿に零は、返答の言葉を
失っていた。つまりは、同意した…という意味だった。
「 ふふ…ッ、じゃあ皆で楽しく朝食ね! 」
言ってスカートの裾を翻し、カオルは少女の様に楽しげに屋敷に戻って行った。
「 …流石は冴島夫人、涼邑様も意のまま…とは 」
「 言うなって、ジャック… 」
感嘆したジャックの言葉に、零は珍しく照れた表情を浮かべていた。



その日冴島家のリビングは、久しぶりに賑やかな時間が流れていた。
鋼牙はやはり仏頂面ではあったが、ジャック、零、レオの武勇伝はカオルやゴンザを
                
大いに驚かせ、弾む声が止む事はなかった。
                  おうおう
ただ楽しい時間というものは、往々にして過ぎ去るのが早い。あっという間に昼近くを
迎え、ゴンザ依頼の所用を済ませたいと言うレオや、急に元老院からの呼び出しが
掛かったとシルヴァから告げられた零は、ばたばたと冴島邸を後にしていた。
すると賑やかであればある程、その “ 終焉 ” は大いに淋しくなるもの。いつもの時が
戻った筈なのに、まるで胸にぽっかり…と大きな穴が開いたかの様な静けさだった。
「 あ~ぁ、淋しいな… 」
庭に向けたテラスの階段に腰掛けたカオルが、ぽつり…と呟いた。
日々激闘の中に身を置く魔戒の者達の、苛烈な日常をカオルは微かでも知っている
つもりだった。だからこそその時間を離れた時は、普通の人…市井の人の様に、
穏やかで楽しい時を過ごして欲しいと、カオルは思うのだ。そして “ 盟友 ” と
呼ばれる程に、絆を深めて欲しい…とも。すると、そこへ―――。
『 冴島夫人…? 』        わた
カオルの目の前に、小さな光の綿がふわふわ…と舞い降りて来たのだ。その光の
綿から、ジャックの声を響かせながら…。
「 …ジャック、さん? 」
『 はい…。簡単な術なら使えますので、冴島様の目に止まらず会話をするには…と、
この方法を選びました 』
「 やだ…。堂々と話し掛けてくれても良いのに… 」
『 さて、それは冴島様がどう思われるか… 』
「 ん~でも、どうしたんですかジャックさん…? 」
ふわふわと上下動する光の綿を、手の平に乗せて微笑むカオル。
『 私は明日、ロンドンへ帰国しようと考えております 』
「 え、もう帰っちゃうの!? 」
『 はい、向こうの元老院を長く空けておく訳にも、参りませんし…。短い間でしたが、
冴島夫人には、本当に良くして頂き感謝しております… 』
だがジャックの言葉に、カオルは少し悲しい表情になっていた。
「 ……ごめんなさい、ジャックさん 」
『 な、何を突然謝られるのですか、冴島夫人! 』
「 だって…、今朝の剣の修練を見て思ったの。やっぱり鋼牙は、ジャックさんに
辛く当たってるんじゃないか…って 」
『 冴島夫人… 』
すると光の綿が、ジャックの気持ちを示す様に、上下動を止めていた。
「 私…ね、出来る事なら鋼牙と…皆が仲良く、穏やかに過ごしてくれたら…って
思ってるの。それは勿論、ジャックさんも一緒よ…? 」
『 流石冴島夫人は、市井のお方だ。我々にはあまり無い、発想をお持ちです。
…ただ冴島夫人、冴島様は魔戒の者であり、一人の剣士です。剣の使い方一つで、
自分の命とその先にある多くの命が守られる事を、一番良くご理解されているお方
なのです 』
「 それは…解っています。だから…、だからこそ絆を深めて、一緒に…って! 」
言いながら少し淋しくなったのか、カオルはそれ以上を口にする事を止めていた。
『 ……やはり私は、冴島様が羨ましい 』
「 ……え? 」
次いでジャックが、溜息交じりに唐突な事を告げる。
 おっと
『 良人だけではなく、魔戒の者全てに愛情を向けている女性を夫人に出来た
冴島様が、本当に羨ましい! 』
「 …そんな 」
ジャックの言葉に、カオルは照れた様な困った様な表情を見せた。すると―――。
『 ではお礼に、楽しくなる術をお見せ致しましょう! 』
と告げたかと思うと、ジャックの声が聞こえていた光の綿が、青空に向かい急上昇
して行った。そして―――。
「 ………わぁ! 」
突如、光の綿がぱぁ…んと弾けて砕けたかと思うと、辺りは一面真っ白に輝く光の
世界に包まれたのだ。思わずカオルは立ち上がり、周囲を見渡した。見るとその
空間の所々は虹色に染まり、何とも幻想的だ。更に―――。
「 …あ! 」
カオルの眼前を、カラフルな鳥や蝶が、まるで舞い踊る様に通り過ぎて行ったのだ。
「 こんなに可愛い術なんて、あるのね… 」
『 …ええ。これは術を受けた人が、とても幸せな状況になれる…という術です 』
一度弾けた光の綿が、カオルの声に呼び寄せられた様に再びその形を成し、
ジャックが答えていた。
「 素敵…! ありがとう、ジャックさん。私、幸せな気持ち…よ! 」
うっとりとその光景を見つめ、カオルは少し涙ぐんでいた。
『 冴島夫人…、貴女はもっともっと、幸せになれますよ… 』
そして聞こえるか否か、微かな声でジャックはそう答えていた…。

― 続 ―




ついジャック、ロンドンへ帰国!
でもカオルの優しさに触れ、ジャックが “ 思わぬプレゼント ” をくれました!
“ 天然スケコマシ ” なジャックが、何とも可愛いプレゼント…。
う~ん、単純に喜んで良い…のやら?
ただ…。
ジャック帰国の前に、もう一波乱起こそうかと思ってます!
“ あのジャック ” が、このまま帰国…なんて有り得ませんしね ( 笑 )
ではでは次回の Up も、是非ともお楽しみにぃ~~!
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テーマ:二次創作:小説
ジャンル:小説・文学

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