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牙と狼

牙狼 ( 鋼牙版 ) にドハマリした気持ちを二次小説で表現しています。

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牙狼 ( 冴島鋼牙 版 ) にドハマリして いる気持ちを、二次小説で表現して います。

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■■■二次的創作妄想小説…雑踏の最中に ― Halloween ― 第十話

~本作に関しては 「 当ブログの注意事項 」 をご一読下さい~
前回の話はコチラ

「 ルッコルチリナサリシチネ!」 ( 鬱陶しい魔戒騎士め!)
巨漢ホラーは一声吼えると、下降して来た鋼牙を巨大な腕で薙ぎ払おうとした。
だがその動きをすんでの所で察知した鋼牙が、己へ向かって来る巨漢ホラーの腕に
一瞬乗ると、次いで頭上めがけて再び跳躍していた。
「 はあぁぁッ!!」
雄叫びを上げるのは、鋼牙の番だった。振り上げた魔戒剣を、巨漢ホラーの胸元
中心に、深々と突き刺していた…かに見えた―――。
「 サユカユイシマメムノオサ!」 ( 簡単に斬られるものか!)
鋼牙の剣が巨漢ホラーを貫こうとした寸前、巨漢ホラーの掌底が鋼牙の身を、
弾き飛ばしていたのだ。
「 冴島さんッ!!」
「 鋼牙ッ!!」                                  ちゅう
その様子を見た漸斗とカオルが叫ぶ。だが鋼牙は飛ばされながらも、宙でくるり…と
体を回転させ、何事も無かった様にカオルの脇へと着地していた。
「 鋼牙…」
ほっとした声で、名を呼ぶカオル。だが鋼牙はすぐさま巨漢ホラーに向けて、
再び駆け出していた。
「 ウギイィッ!!」                           くう
そんな鋼牙に対し、巨漢ホラーの大きな腕が再び轟音と共に空を斬り、
鋼牙めがけて振り下ろされて来る。ただ鋼牙の素早い動きの方が、一枚上手だった。
鋼牙に巨漢ホラーの腕が振れる前に、鋼牙の身はするり…と腕の落下地点を
擦り抜け、空振りに終わった巨漢ホラーの腕が、地響きを上げながら路面に
めり込んでいた。その直後、鋼牙の剣が今度こそ巨漢ホラーの胸元を貫いていた。
「 ウガァッ!!」
巨漢ホラーが、短く苦鳴を上げる。それでも体が大きいせいか、他のホラーとは
違い、すぐに霧散して消える事はなかった。
「 漸斗!!」
鋼牙が援軍 ― 漸斗 ― を呼ぶ。
「 はいッ!!」
その望みに応える様に、漸斗は巨漢ホラーの腹を、真っ二つに斬り捨てていた。
「 アガガァァーーッッ!!」
と、大絶叫と共に巨漢ホラーが、ようやく霧散してゆく。そして鋼牙と漸斗は己の
魔法衣の内に、多量の霧と化した巨漢ホラーを封印すると、かつてホラーで円陣が
組まれていた周囲に、突破口が出来ている事を見出していた。
「 カオル!」
鋼牙が叫ぶ。その声に頷いたカオルは、漸斗の元へと駆け寄っていた。次いで
鋼牙とカオルは無言で見つめ合い、頷き合った後、カオルは漸斗に連れられ、
その場から離れて行った。すると―――。
「 冴島さん!」
遠くになった漸斗が、鋼牙を呼ぶ。視線をやると、漸斗は鋼牙に向け、胸元から
何かを放り投げてよこしていた。
投げられた二つ程の塊を上手く受け取った鋼牙は、その手の内に入った物を改めて
確認した。それは―――。
「 追加の札か…。助かるな 」
ザルバがぼそり…と呟く。確かに最初に貰った札は、今の戦いで使い果たしていた。
それを漸斗も解っていたのだろう。
そして鋼牙は無言で、背後の照明塔の時計を見た。今は九時半近く、残り二時間半。
再び鋼牙の視線は、周囲の雑踏へと向けられていた。

― 続 ―




う~、やっとカオルを脱出させたぁ~~!
でも、まだ話は続く予定…。
本当に書きたい部分は、まだまだ先だったりします ( やれやれ…)
さて、今年の内に終われるのか。
まさかの年越し…なんて怖い予感も、有ったり無かったり…( 滝汗 )
今しばらくのお付き合いの程、宜しくお願い致します。
では、また

続きはコチラ ↓ ↓ ↓

雑踏の最中に ― Halloween ― 第十一話
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テーマ:二次創作:小説
ジャンル:小説・文学

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